2021年11月26日

イベント・展示会のデザインの基本 その1

皆さんこんにちは。
企画部の伊藤です。

2021年も残り少なくなってきたこの頃、長いコロナ禍もひとまず落ち着きを取り戻しつつあります。
ボックスワンの所属するイベント・展示会業界も、ようやく日常の風景という光が見えてきたように感じます。

毎週のように展示会が行われるようになり、営業担当者は各種発注作業や現場管理に大忙しの繁忙期が続いているようですし、企画部に所属する私も年明けのコンペ案件に参加するためプラン作成に頭を悩ますことが増えました。
東京オリンピック・パラリンピックとコロナ禍のダブルパンチで各種展示会開催がストップし、それに伴いぼんやりと鈍っていた頭をリハビリさせる意味も込めて、ここで改めてイベント・展示会業界におけるデザインの基本をおさらいしてみようと思います。


まずブースをデザインする上で、基本的な造作部材として木工とシステムというふたつの要素があります。

木工は、骨組みと板を組み合わせることで壁や台、看板を構成していく手法です。

システムは、ボックス・ワンでは基本的にドイツのオクタノルム社が開発したオクタ・システムを使用して壁や台、看板を構成していく手法をとっています。

どちらにも一長一短、メリット・デメリットがあり、どちらかがより優れているというものでもありません。


さて、日本には「尺貫法」というものがあります。正確には ありました と言うべきでしょうか。
尺貫法とは、長さ・面積などの単位系のひとつで、長さの単位を「尺」、質量の単位を「貫」、体積の単位を「升」とする日本古来の度量衡法です。メートル条約に加入後、1891年(明治24)メートル法を基準として、尺・坪(面積の単位)・升・貫を定義し、1958年(昭和33)までメートル法と併用されていました。
土地や建物に関する計量については、1966年(昭和41)までは尺貫法による計量単位を用いてもよいことになっていましたが、それ以後は、すべてメートル法による計量単位を用いなければならなくなりました。
正確にはありましたと言ったのはそういう理由からです。

しかし、長い年月をかけて使用されてきた尺貫法が、法律で規制されたからといってすぐに消え去ってしまうわけはありません。オフィシャルにはなくなってしまったものが、実は使われ続けているということは多々あることです。

尺貫法において、一般的に用いられる長さ寸法は
 1間…1,820mm
 1尺…303mm ※3尺は910mm
 1寸…30.3mm
などとなります。

展示会業界では、アクリルや木工の板材を扱うときに「サブロク」「シハチ」という言葉がよく使われます。
これは尺貫法に基づく規程寸法で、サブロクは3尺(909mm)×6尺(1,818mm)、シハチは4尺(1,212mm)×8尺(2,424mm)というところからきた通称です。
昨今ではメートル法に基づき、900mm×1,800mmのサイズのものをサブロク、1,200mm×2,400mmのサイズのものをシハチとすることも多いようです。

木工造作物の幅・奥行き・高さといった寸法は、300mm、450mm、600mm、900mm、1800mmといった数字を組み合わせて設計されたものが多く、これは日本の木工部材の多くが尺貫法を基準に制作されてきた名残ということができると思います。

システムを使ったブースデザインを行う場合は基本的にオクタ・システムを使用してのブース設計となりますが、こちらはドイツ由来の部材ということが理由なのでしょうか、メートル法基準の規定寸法となっています。
正確には約1mの990mmを一つの基準とし、そこから派生した290mm、495mm、700mm、1,400mmといった寸法の部材を組み合わせて設計していきます。

展示会ブースの1小間サイズは3m×3mとなっていることがほとんどですので、メートル法基準のシステム部材を使用したブース設計というのは非常に理にかなっていると思います。
また、木工部材は直線・曲線にとらわれない自由なデザインが可能となるのが良さですが、その上でキリの良い部材寸法に目配せしながら、なるだけコストを抑えたプランニングということを心掛けて業務を行っています。


ところで、日本の工業規格と言えばJIS規格がありますね。

JIS規格とは「日本産業規格」を指します。これは長らく「日本工業規格」と言われてきましたが、2019年(令和元)に改称されました。
英語の「Japanese Industrial Standards」の頭文字をとり、一般的には「JIS規格」と称されています。
JIS規格は工業製品の耐久性、安全性などを規格化することにより、日本の技術力の向上や国際競争力をつけるための工業基準値のことです。
 
わかりやすく言うと製品の種類やメーカーの垣根を越えて、「JISマークがついている商品なら大丈夫」と国が認定してくれているようなものと言えますね。

電化製品や日用品などでJISマークを目にする機会がありますが、実は家具にもJIS規格が認定されている商品があることをご存知でしょうか?
テーブルや椅子、スツールといったものがそれにあたります。

テーブルや椅子のJIS規格を決める際には「強度」「耐久」「安定」を重視してテストを行います。

例えば強度なら、テーブルや椅子に加わる最大限の力を与えても、その機能を発揮できるのか、時々加わる急激な力でも強度を保てるかのなどの試験を実施します。 
耐久性テストでは長期間にわたって使用する際に繰り返し行われる動作によって受ける衝撃を、座面や背もたれなどの部位ごとに想定して負荷をかけ続けるなどの実験を行います。
安定性では転倒しやすい状況で椅子やスツールが通常の機能を発揮できるかどうかの試験をしたり、前脚後脚それぞれの方向からの安定性などもチェックしたりします。

このようにあらゆる事態を想定したテストを繰り返し行い、認められた製品だけにJISマークがついているのです。

展示会用に制作されるテーブルや椅子、展示台といった造作物は、わざわざ国認定の試験をして規格を満たしているのかチェックを行いませんが、実際の使用時に問題がないように一定以上の基準を満たす強度・耐久性・安定性が求められることは言うまでもありません。
設計・デザインを担当する我々と制作する現場の職人さんたちがコミュニケーションを取り合うことで、クライアント様への安心感を確保するようにしています。


さて、ここからは余談ですが、JIS規格といえばJISマーク。




JとIとSが組み合わさったマークであまりにも有名ですが、今回このエントリーを書くにあたって改めてJIS規格について調べていると、なんと新しいマークに改定されていたのです。

こちらが新しいJISマークです。


JISマークは、1949年 (昭和24)の工業標準化法制定以来付されてきたマークでしたが、2004年 (平成16)の工業標準化法の改正により従来とは異なる新たな表示制度に改正されました。これに伴い、マークのデザインも刷新されたそうです。
新JISマークのデザインは公募され、5,000件近い応募の中から工業デザイナーの水野尚雄氏がデザインしたものが選ばれ、2005年 (平成17)3月28日に発表されました。

新JISマークについては、

 1 「JIS」を横に並べることにより、世界中の人に一目で分かってもらえるようにした。
 2 Industry(工業)を示す「I」の文字を中心に置くことにより、工業製品のきっちりした品質をイメージ。
 3 丸い囲みには、認証OKの意味。
 4 円形の外周は日本を象徴し、右回りに旋回することにより、21世紀の日本の産業が発展していくイメージを重ねている。
 5 左右対称の丸い外周は、人の顔を想起させ、親しみを持ちやすくした。

といったデザインコンセプトに基づいたものだそうです。


新JISマークは直線と円弧のみを用いて描けるように設計されていて、とても美しいと感じました。また、線が太くなり、大きなサイズでも小さなサイズでも視認性に優れているなとも感じました。


さてさて、イベント・展示会業界におけるデザインの基本についてのこのエントリーですが、尺貫法から始まって最後はJISマークについてと、ずいぶん脱線してしまいました。

ボックスワンのデザイナーとして、普段どのようなことを意識しながらブースデザイン業務を行っているのかを、これから何回かに分けて書いていければと思います。


それではまた。
posted by ボックス・ワン at 20:17| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月01日

晴海見本市会場

皆様、こんにちわ

株式会社ボックス・ワンに入社して30年目の“江野”と申します。

今回は、我々の世代にはとても懐かしい「晴海見本市会場」を振り返りたいと思います。


会場があった場所は、東京都中央区晴海5丁目

「東京オリンピック・パラリンピック」選手村の予定地です。

当時は交通機関も整ってなく、現場に向かうのもとても不便だったことを記憶しております。

私が入社したのが1991年(平成3年)なので晴海の展示会場がオープンしてから32年も経っていた頃でしょうか。

まあ、古くて汚い建物だった印象しかありません…  こんな感じ ↓↓

   01_kusatsu.jpg

    

当時の写真と会場詳細図です。

詳細図の左上から東館(ドーム館)・南館・C館で、左下からA館・西館・新館・B館と並んでおり各館が繋がっていないので、雨の日の施工は大変でした。

同じ会場内で管理会社が、東・西・南・新館を(株)東京国際貿易センターが行い、後から増設されたABC館は「東京国際見本市」の主催者団体である(株)東京国際見本市協会が管理していたらしいです。

色々使いづらく、苦労しました(泣)


この展示会場も24年前の1996年(平成8年)3月に閉鎖され、37年間の歴史に幕を閉じる事となり、江東区有明に東京ビッグサイト(東京国際展示場)が新たにオープンしました!


展示面積を比較してみると、晴海が56,129uだったのに対して、オープン当初のビッグサイトが82,660uと晴海の約1.5倍です。

それが今では、あちこち増設して、141,780uとなり約2.5倍となっています‼

    03_ bigsight.jpg

    ↑↑↑ 東京ビッグサイト(東京国際展示場)


ここで、晴海とビッグサイトの展示会の開催数と入場者数について少し調べてみました。

晴海の閉鎖前の10年間とビッグサイトがオープンした翌年からの10年間で比べてみます。

 ●晴海の10年間の開催数   1129

 ●ビッグサイトでの10年間  2823回    約2.5

 ●晴海の10年間の入場者数  7060万人

 ●ビッグサイトでの10年間  8799万人   約1.25

ビッグサイトへ移転をして広くなった事も有りますが、会場のレイアウトなども良くなり館の数も増え、かなり使いやすくなったと思います。そういった事もあり開催数が増えています。

しかし、入場者数がもっと増えているかと思ったのですが意外でした。

晴海での10年間の間にはバブル景気の時期があったので、会場が狭いながらも経済が豊かな時は来場者も多く活気があったのでしょうか⁉

そういえば、ブース造作も 大きさと派手さを競っていたような気がします。

私も先輩の方々に呑みにも連れてって頂きました!

    




今回、この記事を書くにあたって晴海見本市会場の跡地を少し散歩してきました。

(こんな時期なので、しっかりとマスクをして車で移動です


会場の跡地には、閉鎖後しばらくして出来た中央清掃工場が建っており。

その他の敷地はオリンピック・パラリンピックの選手村として使用される立派なマンションがほぼ出来上がっていました。

      

      右が清掃工場。左がオリパラの選手村となるマンション。

      間の道路が会場の中央の通路でした。右往左往してました(笑)


      

      

      オリンピック・パラリンピックの選手村となるマンション群。


      

      晴海客船ターミナル

      敷地のさらに奥に当時のまま残っていました。



      

      晴海見本市会場の記念碑

      清掃工場の敷地内にひっそりと残されています。


最後に、この周辺一帯も開発が進み、風景は一変していました。しかし、会場に至るまでの道々に当時と変わらない建物も残っています。

会場中央の広大な通路もなんとなく、あの頃の雰囲気が残っているような気がして、少しだけ懐かしい気分を味わいさせていただきました。

posted by ボックス・ワン at 17:28| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月10日

有明ガーデン

ブログをご覧の皆様、こんにちは
ボックス・ワン かみながです。

今回は、営業推進課+企画のメンバー6名で『有明ガーデン』を訪問しました。
目的としては、最新施設のコロナ感染対策を視察する、ことです。
(けっして、楽しくショッピングをしていたわけではありません)

まず、施設について簡単にご紹介します

有明ガーデンは、2020年6月17日にグランドオープンした大型ショッピングセンターです。
敷地内にはイベントスペースや劇場型ホール、露天風呂付温浴施設があり、
今後もホテルやパーク、劇団四季劇場が順次オープンする予定となっています。

立地としては、東京都江東区有明2丁目にあり、
電車で行く場合「りんかい線の国際展示場駅」または「ゆりかもめの有明駅」
が最寄駅となります。駅からは歩いて5分程で敷地に到着します
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有明駅側から見ると、高層マンションが3棟ありその奥に見える施設です。
マンションが大きすぎてほとんど見えませんが、有明ガーデンは大きな施設です

ちなみに、有明ガーデンと3棟の高層マンション[シティタワーズ東京ベイ]は、
住友不動産が国家戦略特区 大規模複合開発としてまとめて行っているもので、
同じプロジェクトとして羽田エアポートガーデン(開業延期中)も進めているようです。

では、本題にはいりたいと思います。

有明ガーデン入り口
施設入口の扉は開いたまま固定されており、換気・ソーシャルディスタンスもばっちりです。
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入口扉を入ると、消毒用アルコールが間隔を空けて多数設置されていました。
更に進んでいくと、体温の計測が可能なカメラに大型モニターを繋げた機器2台が設置されていました。

こちらはカメラに映った人物の体温を頭上に表示し、来店者がその場ですぐに確認できる仕組みで、ほぼ正確な数字となっていたので機器の精度の高さに感心しました

上記のカメラ+モニターのセットは高額な機器だと聞いていましたが、
施設のほぼ全ての入り口・中央広場に設置されており、感染対策への施設側の強い思いが伝わってきました。

また、施設内には、感染対策への協力を呼び掛けるサインが多数確認されました有明ガーデン視察☆71_200710_44.jpg有明ガーデン視察☆71_200710_4.jpg
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3枚目の画像は少しわかりにくいですが、エレベーターの使用を控えてエスカレーターの利用を推奨する内容でした。
フードコートでは、サインの掲示と共に机が1列間引かれており、通常よりも通路がゆったりとしていました。

また、足元サインについても色々な種類がありました
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有明ガーデン視察☆71_200710_11.jpg有明ガーデン視察☆71_200710_30.jpg有明ガーデン視察☆71_200710_7.jpg
よく見る丸型タイプのもの、間隔をとることを推奨したもの、駄菓子店では子供の小さな足跡、等、各テナントで工夫されていました。飲食店のフロアでは、店舗外に待機列となる多数のサインが設置されていました。

また、エレベータ内は4隅に向かってサインが貼られており、実際に指示通り立ってみると、
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このように、知り合い同士で乗り合わせてもまるで仲の良くない光景となりました。

その他、接触を少なくする為の工夫を2点見つけました
1つ目はいくつかの店舗に設置されていた、消毒アルコール(足で踏むタイプ)です。
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消毒ボトルに触れることなく、使用できる為とても良いと思いました。

2つ目は、コロナ対策だけではないかと思いますが、
専用のスマホでスキャン・決済できる「レジゴー」という機器です。
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こちらは来店者が買い物中にバーコードを読みとり、専用のレジで決済をする為、
店舗スタッフとの接触がありません。

専用のスマフォは使用済み・消毒済み(未使用)と分けて置くようになっている為、
衛生面も考慮されていました。


今回、『コロナ対策を見る』目的で施設を訪れたことで、
発見したことや考えさせられることが多々ありました。

弊社の本業である展示会の分野でも参考にできる部分は取り入れて、
関係者および来場者の安全を守って、展示会が開催されていくよう尽力していきたいと思います
posted by ボックス・ワン at 13:16| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする