こんにちは、営業部の西田です!
9月にアメリカのヒューストンで開催されたGASTECH2024に出張で行ってまいりました。
アメリカ......?そう、初の海外出張です。
出張のお話をいただいたのは出発の1か月半ほど前。
とある海外の展示会の案件の担当となり、
会社から視察も兼ねて行ってきたら?と。
とんでもなくありがたいお話でしたが、
同時に本当に私が行って大丈夫なのかと何度も不安になりました。
もちろんワクワクしていないと言えば嘘になります。
しかしそれ以上に久しぶりの海外かつ初めての1人海外という事実に不安で押し潰されそうでした。
そもそも日本の展示会でも施工前は心配事で頭がいっぱいになるたち。
海外ならば尚更です。
それでもせっかくの機会、これを逃したら次はないかもしれない!
ということでアメリカ出張の道が始まったのです。
【出発〜アメリカ到着】
発注やパッキングなど直前までバタバタしていましたが、
なんとか渡航の準備を終えていざ成田空港へ。
換金はいくらにしようか悩みましたが、
身の危険を感じた時最低限命だけは助けてもらえそうな金額を考え2万円をドルに。
しかし出てきたのは139ドルという数字。
命を助けてもらえるか不安になる換金レートです......。
覚悟を決めていざ機内へ!
12時間の長時間フライトはあっという間とはいきませんでしたが無事に到着しました。
ヒューストン空港に到着するとアメリカっぽい香りがして海外に降り立っていることを実感します。
早速入国審査へに向かいます。
ちょうど色んな便が到着する時間帯だったらしくカウンターは大混雑。
しばらく待ってようやく順番がきました。
対するはちょっと強面のおじいちゃん。(仮にアンディさんとします)
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アンディ「これからどこ行くん?」
私「はい?」
アンディ「(あかんわ…)」
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細かく聞いても分からないだろうと思われたのか、
目的と滞在期間だけ聞かれてあっさり解放されました。
長引かなくて良かった…。
後から知ったのですがヒューストン空港はトランジットの空港としても有名らしく,
最初のどこ行くんだ?は最終目的地を聞かれていたようです。
ごめんアンディ…。
何はともあれこれで晴れてアメリカ入国です。
その日は時差ボケもありそのままベッドへ。
無駄な話が多くてすみませんでした。
ここからようやく?アメリカの展示会設営編へ続きます!
【設営初日】
いよいよ設営一日目です。
日本のビジネスホテルより圧倒的に少ない朝ごはんラインナップから何とかセレクトした朝ご飯を終え、
(マフィンと卵、ベーコン、禍々しい色合いのシリアルというオーソドックス?な組み合わせ)
現地のコーディネーターの方と合流していざ展示会場へ。
今回の展示会場は「George・R・Brown Convention Center」
(すでにこんなオブジェが設置されていました。)
青と赤が会場の随所に使われていてなかなかおしゃれな外観です。
展示会の設営自体は2日前から開始しているためか、
中に入るとビッグサイトさながらの雑然とした風景が広がっていました。
木工の資材や空箱などがすべての通路を埋めています。
広がる風景に何とも言えない安心感をおぼえつつ、
担当のブースまで行くと、、、
なんと一次幹線用のコンセントが施工されていません...!
何も......ない......。
(ちなみにそもそも分電盤という概念はありませんでした)
急いで事務局へ行き、
注文内容の確認と工事ができていない旨を(コーディネーターさんが)説明して、
とりあえずブースで待つことに。
1時間ほどたったころに事務局受けの電気屋さんが来てくれてようやく電気が通りました。
しかし電気が来なかったことで造作の施工は忘れ去られたかのように開始されません。
ひたすら待ち続けているのですが慣れない地ということもありどんどん不安に......。
するとそこへ先ほどの電気屋さん(仮にボブさんとします)が通りがかりました。
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ボブ「おいおい、俺が急いで工事してやったのにまだカーペットもしいてないじゃないか」
私「いやあ、そうなんですよ、多分もうすぐ来ると思うんだけど......」
ボブ「そうなのか......ちょっと待ってな」
私「??」
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待ちぼうけを食らっている見知らぬ若造に同情してくれたのでしょうか。
ミネラルウォーターとチョコレートを分けてくれました。
まだ施工も始まっていませんがすでにやさしい世界に心がいっぱいです。
チョコレートでおなかを満たしていると施工会社の方が来てくれて造作の施工がスタートしました。
良かった......!
アメリカではとにかく人件費が高く、
事前にも「規定作業時間(straight time)」で完了しないと
費用がとんでもないことになると警告されていました。
そのため完了時間については気をもんでいたのですが、
そこはさすがプロ、
始まってしまえばものの数時間で図面通りのものに仕上げてくれました!
オクタの枠組みを作り......
(パネルと照明をセット!すごい勢いで組んでくれました!)
私も職人さんとなんとか直接コミュニケーションをとって、
細かいところを確認したり、軽微な修正をお願いしたり、質問に答えたり、
日本と同じように確認作業を進めることができました。
とりあえず最大の山場は越えられて安心です。
時差ボケは治りませんでしたが少しだけ心安らかに眠りにつくことができました。
【設営最終日】
この日は基本出展者対応ということで昨日より多少ゆっくり会場に向かうことに。
朝食時間をめいいっぱい使ってコーディネーターさんと
アメリカと日本の展示会事情や仕組みなど情報交換をすることができました。
(朝食にご飯があるだけでうれしい)
〔アメリカ展示会事情〕
聞いた話によるとアメリカでは労働者の組合が強く、
それもあって日本の展示会とは若干異なる仕組みをしているそうです。
作業員とそれ以外の人間で明確に線が引かれ、
作業員でないものはカッターすら持てないような展示会もあるとのことでした。
また搬入出も専門のスタッフがおり出展者でさえ手押し台車は使えないみたいです。
(そのためスーツケースに運営備品を詰め込んで運ぶ人が多いのだとか。)
今回は特にこのあたりの理解が難しく、
事務局申請にあたって何度も確認をとって進めていました。
最終日にはいわゆる部材の空箱を引き取ってもらうのですが、
これも専用のシールを貼ってブース近くに置いておくと、
専門のスタッフが回収してまた撤去時に入れてくれる仕組みになっているそうです。
私もこの日会場を駆けずり回りなんとか該当のシールをゲットして事なきを得ました。
本当に慣れない仕組みを理解するのは難しい......。
この日も大きなトラブルはなく、
早めに出展者さんにブースを引き渡して準備を見届けて終了!
まだ明るいうちに完了したので会場近くのダウンタウンを少し散策することに。
アートの街としても有名(?)らしくオブジェや壁画など街のいたるところにおしゃれな雰囲気が漂っていました。
謎のオブジェ
ヒューストンアストロズの球場、ミニッツメイドパーク
ホテルのの壁面におしゃれアート
また、初の一人ランチに挑戦して、
英語の伝わらなさやチップのやり取りに苦労しつつもなんとかごはんにありつけたり、
スーパーマーケットに行ってデリの種類の多さに驚いたり、
徒歩で歩いていると怪しげな人に話しかけられそうになって、
やっぱり治安については安心できないなと思ったりアメリカらしさを感じることのできた一日でした。
(苦労してゲットしたシュリンプの味は格別です)
【オープン初日】
滞在4日目、ついにGASTECHのオープン初日です。
会期スタートから1時間少し前に会場に着くように準備して向かうと、
会場の外には何やら異様な行列が。
何の列か正直わからなかったのですが、
30分ほど並んでようやく建物の中に入るとそれはセキュリティチェックの列でした。
さすがアメリカ......!
カバンの中身を全てみせ、
金属探知機でボディチェックを済ませてようやく会場内に入ることを許され、いざホール内へ。
外装➀
外装➁
担当ブースも何事もなくOPENの準備は完了。
その後視察のため会場内をぐるっと周ってみました。
まず通路はすべてカーペットが敷かれておりなかなかリッチな装いでした。
(ホール内、全面カーペット敷き)
これがアメリカのスタンダードなのでしょうか。
また完成されたブースをみてもオクタをむき出しで使用しているブースは少なく、
パッケージブースでさえファブリックメインの造作になっていました。
(パッケージブースの壁面、ファブリックが使われています)
コーディネーターさんにも聞いてみましたが、
アメリカではフラットな壁面が好まれるとのことで、
施工のしやすさも相まって
ファブリックを用いたブースが多いようです。
大小間ブースになると天井からトラスを吊ったり、
バルーンを上げたりしているブースも多く全体的に造作は凝った作りが目立っていました。
(こんな感じのトラス吊りも何社かありました)
展示会にもきっと色があるのだと思いますが、
主催含め、全体的にコストをかけて作り上げている印象でした!!
今回の滞在はオープン初日までだったのでオープンを見届けて終了です。
撤去までいられないのは多少心残りではありましたが、無事に完了して本当に良かったです......!
(無事帰国しました!)
今回の出張で一番感じたのは、
文化や仕組みの違いはあれど、
現場の雰囲気や携わっている方々のやさしさは国が異なっていても通ずるものがある!
ということです。
コーディネーターの方も
「施工する職人さんは基本的には「giverの精神」だからコミュニケーションをとってなんでも相談するといいよ」
と教えてくれましたが、
今回の現場でも困っていたら手を差し伸べてくれたり、
やりたいことを伝えたらなんとか実現する方法を考えてくれたり、
私が緊張で不安そうにしていたら話しかけてくれたりと周りの皆さんに助けられた数日間でした!
そして!
日本でも協力会社の皆さんをはじめとした方々に助けていただいていることを改めて実感しました。
今回準備段階から英語での対応や初めての業務もあり心が折れそうになった瞬間もありましたが、
その分学べることも多く仕事面でもその他の面でも貴重な経験となりました。
また機会があれば挑戦したいと思います!
最後に、、
今回の出張は、本当に色々な方々のサポートのおかげで無事に終える事ができました。
ご協力いただいた全ての方に感謝しております。
ありがとうございました!